<セCS第1ステージ:中日7-4ヤクルト>◇第3戦◇19日◇ナゴヤドーム

 2死から3連打で1点を失うなど苦しみながらも、守護神の岩瀬が最後に青木を三振に打ち取ると、中日ベンチに喜びと安堵(あんど)の表情が広がった。

 逆転で日本一への可能性をつないだ選手たちは、マウンド後方に一列に並んで大歓声に笑顔でこたえた。列の中心で深々と頭を下げた落合監督は、沸き立つスタンドとは対照的に「勝つために、うちもヤクルトも必死に戦った」と淡々と振り返った。

 先制を許したものの、3回に和田の2ランで逆転に成功し、5回には代打立浪の2点適時打などで3点を追加。2点を奪われた8回には、代打の平田と、藤井に適時打が出て再び突き放した。

 采配にさえを見せた指揮官の言葉通り、ベテランから若手までが必死に戦い、ペナントレースで12ゲームも離された巨人に雪辱するチャンスを手にした。

 浅尾、岩瀬と終盤2回を託す両投手がピリッとしないのは気掛かりだが、ブランコに当たりが戻るなどCS3戦で好材料も得た。21日から始まる巨人戦へ向け「明日、ゆっくり疲れを取らせて考えます」と落合監督。笑顔を見せなかったのは、すでに21日から始まる厳しい戦いを見据えているからだろう。

 [2009年10月19日23時44分]ソーシャルブックマーク