<ヤクルト1-0中日>◇20日◇神宮球場

 息詰まる投手戦は、中日の守備の乱れで決着した。9回無死一、二塁。ヤクルト三輪の送りバントで、河原純一投手(38)が三塁封殺を狙う。だが荒木の三塁カバーが間に合わず、送球はファウルゾーンを転がり、サヨナラの走者に生還を許した。

 失策の河原は「間に合うと思って、自分で判断して投げた。(カバーする野手に)無理なタイミングで投げてしまった」と責任をかぶり、谷繁は「基本的なミス」と短く話した。

 綿密なプレーを得意とする中日らしくないミス。打線も1回に1死満塁でブランコが併殺に倒れ、6回1死三塁では、中軸で得点できなかった。石嶺打撃コーチの「誰か1本でも打てると流れが変わるんだが」との言葉には、切実な思いが詰まっている。

 昨季のリーグ王者が、開幕から投打の歯車がかみ合わず、苦しんでいる。