<中日1-0ロッテ>◇5日◇ナゴヤドーム

 前夜に続き、中日の平田良介外野手(23)の持ち味である思い切りのいい一振りが、中日に2試合連続のサヨナラ勝ちをもたらした。

 0-0で迎えた9回裏。和田一浩外野手(38)と佐伯貴弘内野手(41)があっけなく凡退し、スタンドはため息に包まれた。ベンチも「3戦連続の延長か」との雰囲気だったという。だが、4日の西武戦で延長11回にサヨナラ本塁打を放った平田が打席に向かうと、暗いムードは一変。「前の3打席とは違う、特別な感じだった」という大歓声がわき起こった。

 ロッテの薮田安彦投手(37)に追い込まれても「一瞬、三振したくないとか、当てにいこうという気持ちが頭をよぎったが、すぐに振り抜こうと切り替えられた」という。狙い球の直球を完璧にとらえ、右翼席へたたき込んだ。

 右腕を突き上げる平田を見ながら、中日ベンチから驚きの表情で選手らが飛び出した。史上8人目、中日の選手では初めての2試合連続のサヨナラ本塁打。井端弘和内野手(36)が「やっぱりおまえは天才だ」と迎え入れたヒーローが、スコアボードに「0」を刻み続けた4投手の踏ん張りに報いた。