朝日新聞が15日未明、プロ野球巨人の6選手の契約金が球界で申し合わせた「最高標準額」の1億円プラス出来高払い5000万円を上回り、計36億円の契約だったと報じた。巨人は取材を受けたことを明らかにした上で、「社会的非難に当たらないと考える」などと主張した反論文書を発表した。

 契約金の最高標準額は1993年のドラフトから大学生や社会人選手の入団希望を反映させる逆指名制度が導入された際、高騰化防止を目的とし、1億円とすることを申し合わせた。翌年からは成績などに応じて5000万円まで支払える出来高払いを設定できるようになった。

 巨人が報道各社に送付した文書によると、14日午後に朝日新聞に対し「最高標準額はあくまで標準であって上限ではない」などと説明。その上で「税務申告も適正に行っており違法とみなされる点もない」と反論した。

 過去の最高標準額の超過は、2007年3月に西武がアマチュア選手に不正に金銭を供与していたことが発覚した際、設置した調査委員会の調べで明らかになった。この時、15選手に最高標準額を超える契約金が支払われ、総額で11億9000万円となることが公表された。また同年4月には横浜(現DeNA)が那須野巧投手に5億3000万円の契約金を払っていたことも明らかになった。