プロ野球の加藤良三コミッショナー(72)が19日、辞任の意向表明した。統一球問題についての同コミッショナーの過去の発言は以下の通り。

 ◆6月12日

 統一球問題で「釈明会見」。

 「私を含めボールの変更はないと説明してきたが、実際には(コルク芯を覆う)ゴムの成分に変化があった。選手の皆さま、球団の皆さま、関係各位におわび申し上げます。私は昨日(11日)まで全く知りませんでした。これは別に不祥事ではない。統一球に変更を加えたという説明はなかった。私が知っていたら、公表したであろう。するべきであろうと思う。私のガバナンスに対する監督が不十分だった。(下田事務局長から仕様を変更する)経緯、経過、説明を受けたという認識はありません。(今季本塁打が増えたことについて)疑問はありませんでした。選手の能力に信頼を置いているし、工夫したというのもあるのだろうと思った。知っていれば公表していた。批判には値すると思うが、隠蔽(いんぺい)ではない。まずガバナンスの強化について取り組みたい。不祥事だとは思っていません」。

 ◆6月14日

 統一球問題で12球団代表者会議を開催。第三者機関を設置して調査することを決めた。

 「ボールが変わったのは、ずれを修正する行為。そのことに着目すれば世間で言う不祥事ではない。ファン、選手の方々に迷惑をおかけしたことについては大変な失態であったと思い、猛省しております。NPB内の人間で反省しても足りない。12球団全体で対応してもまだ足りないところがあるかもしれない。第三者の視点で、より広い視点でこの事案を見つめてもらおうということ。私自身の問題について、第三者から意見が出れば、当然ながら留意すべきところ。(ボールに書かれた自分の名前はそのままか)絶対にこれでなければということはないが、統一球であることを明らかにする何らかのマークは必要。(適性が欠けているのではという問いに)私にどのような評価を持たれようと異議を唱えることではない。コミッショナーの職に求められるものを一日一日実行していく」。

 ◆7月1日

 統一球の仕様を秘密裏に変更していた問題で、選手会から辞任を迫られていることについてコメント。

 「私がコメントを申し上げる立場でもないし、気持ちもありません」。ただ「プロ野球の将来について消極的で責任回避的な人物」などと痛烈に批判した内容には「日本は暴力団排除や薬物の面で、世界で一番いい成績を残してきている。私の評価うんぬんは、結局、歴史がすると思います」。

 ◆7月10日

 統一球問題発覚後、初めてのオーナー会議。

 「ファン、野球関係者にご迷惑と心配をかけたことをおわび申し上げる。地位に恋々とすることはない。野球界が素晴らしい人材を次に選ぶということについて、協力もしたい」。

 ◆9月2日

 ヤクルトのバレンティンがシーズン55本塁打の最多記録に迫っていることについてコメント。

 「ボールの影響はあまり関係ないんじゃないですかね。あれだけ打つには慣れがある。8月末に50本を超えているのもすごい。これからはけがで欠場もなく、全試合に出場して総合本塁打数を上げてもらえれば」。