<ヤクルト2-3阪神>◇4日◇神宮

 ヤクルト宮本慎也内野手(42)が、延長12回フル出場で引退試合を終えた。満員の観客で埋まった本拠地最終戦で、約3年ぶりに「2番遊撃」で先発。5打数無安打だったが、全力プレーでファンを沸かせた。

 試合後には選手らの手で胴上げされ、背番号と同じ6回宙に舞った。その後のセレモニーでは「両親には何でもいいから1番になれと育てられ、なれたかどうか分かりませんが、夢だったプロ野球選手になれたのは、おやじ、おふくろのおかげです。ありがとうございました。妻知美、プロ野球生活のほとんどを支えてもらいました。本当にありがとう。陽菜(ひな)、奈桜(なお)、恭佑、実空(みく)。お前たちがいたから父ちゃん、頑張れました。ありがとう」と、まずは家族に感謝。

 「プロのプレーをみせ、チームが勝ってファンの方々に喜んで頂くことがプロ野球選手の使命だと肝に銘じてやってきましたが、最後になって野球の楽しさをみなさまから実感することができました。ファンのみなさま、本当にありがとうございました。最後に東京ヤクルトスワローズのファンのみなさま、神宮球場のファンのみなさま。今までの応援、最高でした。19年間本当にありがとうございました」と、応援を続けてくれたファンにあいさつした。

 最後まで涙はなく、笑顔でグラウンドに別れを告げた。