米大リーグ挑戦の先駆者として活躍し、野球殿堂入りが決まった野茂英雄氏(45)は17日、兵庫県豊岡市で記者会見し、パイオニアとして尊敬を集めていることに「僕がもしあの時メジャーに行ってなくても、今のような時代がやって来たと思う」と表情を変えず淡々と話した。

 本人の言葉とは逆に、後に続いて海を渡った選手からは感謝の声が相次いだ。ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(39)は「明らかに言えるのは野茂さんがいなければ、その後のほとんどの選手は米国に行けなかったということ。そういう道すらいまだにできていなかったかもしれない」と指摘した。

 昨季ワールドシリーズ優勝を飾ったレッドソックスの上原浩治投手(38)も「野茂さんのおかげで僕らはメジャーでプレーができている。その感謝だけは忘れないようにしないといけない」と訴えた。

 パドレス、レンジャーズで活躍した独立リーグ、BCリーグ信濃の大塚晶文監督(42)は近鉄時代に野茂氏の背番号11を引き継いだ。「野茂さんがいたからこそ大リーグでプレーする夢が描きやすかった」と振り返った。宮崎県日向市出身で32歳の青木宣親外野手(ロイヤルズ)は子どものころ、キャンプで浜辺を走っていた近鉄時代の野茂氏を追い掛けたことがある。「憧れの人がメジャーに行って活躍されたのがうれしかった」と原点を語った。