韓国アマ球界のエース、趙成ミン(チョ・ソンミン)投手(22)が12日、東京都内のホテルで長嶋監督、保科代表、父稠衡(ジュヒョン)氏(49)ら立ち会いのもと、契約金1億5000万円、年俸1200万円(ともに推定)で巨人と正式に8年契約を結んだ。趙はさっそく10月29日から宮崎で始まる秋季キャンプへの参加を表明した。

 趙は長嶋監督から巨人のユニホームにそでを通してもらい、帽子をかぶせてもらうと、194センチ、100キロの巨漢に似合わない童顔をほころばせた。「日本のプロ野球に魅力を感じていました。その中でも最高の名門チームに入れたことを表情だけでなく、心から喜んでいます」とにこやかに話した。

 レベルの高い日本球界に挑む覚悟はできていた。長嶋監督らから契約の席上、「一日でも早く日本の野球に慣れるため、秋季キャンプに参加してはどうか」と勧められた時だ。即座に「私もぜひ参加したいと思っていました。大学も問題はありません」と答えた。

 10月29日から11月17日まで宮崎で行われる秋季キャンプに、全期間加わることが決まった。趙は「特にどこを鍛えるということよりも、チームのみなさんと慣れることを優先したい」とチームへの溶け込みを強調した。かねてからキャンプ参加を考えてきた長嶋監督も「楽しみが増えた。一日も早く巨人、日本の野球、文化に慣れることが大切。その心構えが来季の自信を生む」と、大歓迎した。 趙は川崎市の合宿所からスタートを切る。なお、背番号は、誕生日が4月5日であることから、「45」を希望している。【矢後洋一】

 【1995年10月13日付紙面から】