<東都大学野球:東洋大1-0中大>◇第1週2日目◇2日◇神宮

 東洋大の右腕、佐藤翔太投手(4年=東洋大姫路)が4安打10奪三振でリーグ戦初完封を果たし、中大に雪辱した。昨季まで6試合の登板で、先発はこの日が2度目。直球の最速は146キロを誇るが、この日は140キロ前後だった。「球速以上に感じられる真っすぐが投げられればいいんです。スピードは気にしない」とキレのある直球に加え、落ちるスライダーを有効に用いた。

 高校時代は08年センバツで2完封し4強入り。投打にプロ注目の選手だった。大学入学後は現ロッテの藤岡ら強力な投手たちが先輩にいたため、出番は少なかった。「実力のなさで投げられなかったけど、監督が見放すことなく指導してくれましたから」と高橋昭雄監督(63)に感謝した。

 その指揮官は「これくらいやってくれると思って入学したんだけど、気持ちが優しくてね。先発もいたから、長い間チャンスがなかった。これで一皮だけじゃなく、三つくらい皮がむけてくれれば、軸になってくれるんじゃないかな」と、冗談を交えながらも佐藤翔の好投をねぎらった。