広島マーティー・ブラウン監督(45)が3日、「中継ぎバトル」が過酷を極めると宣言した。リリーフ枠は7人と予想され、現在残っている1軍は12人。青木勇、林、梅津とそろう右のサイド枠は「1人で十分」と語り、左腕枠への新人篠田の参戦も判明した。一方で先発当確とみられた高橋、長谷川、青木高らにも配置転換の可能性があるとし、開幕まで1カ月弱の生き残りレースが混戦模様になってきた。

 ブラウン監督の言葉には厳しさがこもっていた。昨年まではリリーフは右左やタイプを問わず安定感のある投手から順にブルペン枠を与えていたが、明らかに様相が違っていた。

 「みんな競争している。タイプ別に選ぶか、出来で選ぶかは難しいところだが、今の時期は結果だけじゃなく、状況によってどんな投球をするか、質のいい球を投げているかを見せてほしい。オープン戦で、結果だけをうまくまとめても仕方ないからね」

 コズロースキー、岸本らの加入で層は厚くなった。これまで1軍の常連だった投手全員に、無条件で1軍切符がわたることはなくなった。指揮官は具体案についても言及した。

 「右のサイドは3人いるが、3人は必要ない。1人いてくれれば安心だ。たとえば(左が多い)巨人打線に対して右のサイドが3人いても対応するのは難しくなる」。青木勇、林、梅津。全員、この2年で中継ぎエース格を務めたことがあるが、今季は最も厳しい競争にさらされることになった。

 「必ず何人かは入れたい」という左腕枠の争いも過酷だ。監督の口ぶりから、コズロースキーは当確あつかい。候補は広池、佐竹。そして新人篠田が加わる。先発候補のレベルが高く、大きく調整が遅れた篠田の入る余地は今のところない。監督は「(中継ぎ起用になる)可能性は高い。中継ぎが無理なら2軍で先発候補として調整してもらう」と発言。開幕1軍に生き残るには、オープン戦で中継ぎとしての適性を示す以外に道はなさそうだ。

 指揮官は「競争は始まったばかり」とした上で、先発陣にも話題が及んだ。「長谷川も高橋もまだ(対外試合で)見ていない。先発で投げられるかどうか分からない。青木高も先発を外れて中継ぎに回るかもしれない」。つまりは監督が「後ろの3人」と言うコズロースキー、永川、横山以外は何も決まっていない状態といえる。

 青木勇は「タイプに関係なく右腕全員がライバルと思っている。競争はいいことですよ。僕は打者が右でも左でも気にしない」と冷静に受け止めた。この2年で118試合も投げた林は「僕は1年1年が勝負。実績を残しているとは思わない」と引き締めた。

 ただし、3月28日の開幕戦がゴールではない。144試合、常に質を保つことが重要。小林投手コーチは「開幕メンバーに入ったからといって安泰ではない。今年は悪ければすぐ交代になる。向上心に危機感が加わればいいと思います」。長いレースの幕は今開いたばかりだ。【柏原誠】