関西を舞台にした独立リーグが来春、開幕する。インターネットメディア事業のステラ社(大阪市淀川区=中村明代表取締役)などが6日、大阪市内で会見し、来年4月に大阪府、兵庫、和歌山県などを本拠とした4チームで「関西独立リーグ」(仮称)をスタートする設立構想を発表した。日本国内では四国・九州、北信越に次いで3番目の発足。コミッショナーに四国アイランドリーグを立ち上げた元オリックス監督の石毛宏典氏(51)が就任。リーグの名称は公募する予定で、地域密着した地元の阪神タイガースを手本にしながら底辺拡大を図る。

 関西にも独立リーグが誕生する。この日、同リーグを支援するステラ社の中村明代表取締役(47)が会見し、来年4月開幕の「関西独立リーグ」構想を明らかにした。コミッショナーに就任することが決まった石毛氏は「プロ球界で一番地域に密着しているのは阪神だと思う。関西には野球が盛んな土壌がある」と人気球団の阪神を手本とすることを示した。

 国内では、四国・九州アイランド(IL)、北信越BCに次ぐ3番目の独立リーグ。まずは4チームでスタートし、3年後には8チームに増やす計画。会見には、昨年12月に発足した和歌山県「紀州レンジャーズ」と、これから「大阪府」「神戸市・阪神地域」「明石・姫路播州地域」を本拠とする予定の各代表者も出席。中村氏は「四国、北信越とは違う都市型、米国型の独立リーグの手法をとり入れたい」と初年度から黒字化を目指す。

 社会人野球は63年をピークに、企業業績の不振、少子化などで休廃部が続いており、今回の関西独立リーグをアマチュア選手の受け皿、プロ選手の供給源にしたい意向。石毛氏も「社会人野球の衰退、プロ野球のトップ選手が米国に行くなど質の低下を招いている。選手育成を考えた場合、社会人野球に代わるリーグが重宝されるはずだ」とし、四国・九州IL、北信越BCとの交流も探っていく。

 昨シーズンの阪神は、12球団トップの314万4180人を集客した。今後は現状のスポンサー以外の支援企業の募集、プロ野球OBを中心とした監督、コーチのスタッフ編成などに着手。石毛氏が「このままでは球界のレベルが下がっていく。うまく環境整備をしていきたい」と、関西に密着した阪神をならって、すそ野を広げていく。【寺尾博和】