＜オープン戦：中日６－２ロッテ＞◇６日◇ナゴヤドーム
中日の中村紀洋内野手（３４）が、得意の満塁チャンスでの健在ぶりを見せつけた。ロッテとのオープン戦に「６番一塁」で先発し、０－２の６回２死満塁から右翼線に同点の２点適時打を放った。満塁本塁打で歴代２位の通算１４本を誇る男が、勝負強さを発揮した。第２打席には右前打を放っており、これでオープン戦３試合で５打数４安打の打率８割。絶好調のまま開幕ダッシュを狙う。
狙いすました一撃だった。中村紀は、２死満塁のチャンスでカウント２－１と追い込まれた。ロッテ中郷が投じた外角高めへの１２９キロの変化球を無理に引っ張らず、得意の右打ちではじき返した。同点に追いつく２点適時打。オープン戦初打点にもベース上では表情を変えなかった。「タイミングがうまくとれている。ここまでは順調にきていると思う」。
満塁男の面目躍如だ。満塁時は、通算１４４打数４７安打１４５打点で打率３割２分６厘を誇っている。歴代１位の王貞治にあと１本と迫っている満塁本塁打１４本がクローズアップされるが、１発を狙うばかりではない。追い込まれれば、この日のように右打ちで活路を見い出す。「ああいう形（右打ち）の積み重ねやからね」と胸を張った。
１年前は必死だった。育成選手のオープン戦出場が認められ１軍に合流した３月７日西武戦。デビュー戦即左翼への本塁打を放ち、本拠地ファンの度肝を抜いた。支配下登録を勝ち取った際には「初戦の本塁打があったからこそ」と言った。だが今季は「去年はそういうの（本塁打）もあったけど、今は必要ない」。余裕を持って打席に入り持ち味を発揮している。
これでオープン戦３試合で５打数４安打２打点で打率８割。ヒットも右方向が３本。「８割？
シーズン中までとっておきたいね。（満塁弾記録は）チャンスがあれば、目標にして頑張りたい。でも今日はあそこで打たないでよかった。カウントされないからね」。今年も自慢の勝負強さでオレ竜の２年連続日本一に貢献する。【益田一弘】
