<オープン戦:巨人1-1阪神>◇17日◇東京ドーム

 バトルは終わらない。おれは脱落しない。阪神福原の心の叫びが、ボールにこめられた。魂を込め、低めに集めた64球で5回を難なく無失点に抑えた。わずか2安打で、15アウトのうち10を内野ゴロで稼いだ。

 「巨人戦なので本番のような気持ちで投げた。低めに投げてゴロを打たせるように。速球はある程度まともなところにいった」

 まともにさえ行けば、軽く抑えるだけの力はある。04年には8試合に先発して6勝負けなしとかもにした巨人戦。Gキラー復活の雄たけびを聞いた岡田監督は、開幕ローテーション争いの最終決戦を告げた。

 「気持ちが入っていたな。これでみんな、あと1回(の登板)やんか、ファームの試合を含めてな。生き残るとか、先発はみな頭にあるだろう。(競争の)効果が出たと思うよ」

 開幕のその日まで、1度ずつの実戦マウンドでジャッジを下す。開幕投手確定の安藤と、左腕の下柳、岩田を別枠とすれば、残りは3。これを16日に4回無失点と好投した杉山と、ボーグルソン、アッチソンの助っ人コンビ、そして杉山以上の投球をした福原の4人に競わせる。

 「順調にはきているので、後はけがをしないようにやるだけですね」

 福原は慎重に、そして静かに闘志を高めた。キャンプの右ふくらはぎ故障で出遅れ、シーズン2勝に終わった昨季の汚名返上に。開幕ローテーション入りをワンチャンスにかける。【町田達彦】