<オープン戦:中日6-1横浜>◇19日◇横浜

 中日岩瀬仁紀投手(33)が不安解消のピッチングを見せた。19日、横浜戦(横浜)に登板してオープン戦初めてとなる1回1/3を無安打無失点。前回登板では2失点するなど不安を残したが、通算157セーブを誇る守護神はきっちりと開幕に合わせてきた。

 3回2死、森バッテリーチーフコーチが突然、先発山内から投手交代を告げた。「ピッチャー、岩瀬」。イニングの途中での守護神登場は開幕へ向けての“最終調整”だった。鶴岡を142キロのストレートで空振り三振に仕留めて4回を終えると、続く5回も相川、仁志、石井琢をあっさり内野ゴロに打ち取った。「イニングをまたいだ?

 そういうこともやっておかないとね」。昨季ペナントレースでは3度あった1イニングを超える登板。今季もフル回転する覚悟だ。

 前回登板15日の日本ハム戦(東京ドーム)では1回2安打2失点と不安を残したが、すぐに修正した。「前回は(状態が)悪いことは分かっていた。悪い中でどういう投球ができるかと思っていた。いい時と悪い時の両方を自分で見ておきたい。それはこの時期にしかできないこと」。極限の場面で年間60試合以上に登板する岩瀬にしか分からない次元での調整だが、この日の好投は開幕間近のチームに安心感を与えた。

 「開幕しても何とかなるんじゃないかという状態ですね」。今後は21日からのナゴヤドーム3連戦にもう1度、登板して開幕を迎える予定。頼れるストッパーが健在なのは何より心強い。【鈴木忠平】