プロが金属バット!?

 日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が打撃フォーム矯正の一環として、金属バットで打撃練習を行うプランが24日、浮上した。一本足からすり足へと移行中の同内野手だが、持ち味であるパワーの減少を心配。そこで首脳陣は、すり足でも飛距離が落ちていないことを理解させるため、金属バットでフリー打撃を行わせる方針だ。

 フォーム矯正中の中田を見守る大村2軍打撃コーチの口から、驚きのプランが明かされた。「金属バットで打たせるのもいい。どれだけ飛んでいるのかわからせるために」。プロ選手としては極めて異例の、金属バットフリー打撃が敢行される。

 中田の打法が高校2年時のすり足から一本足へと変わった裏には、打球の飛距離に対するこだわりがあった。23日からすり足を試しているが「フルスイング感は薄れる?

 それはそうですよ」と物足りない表情を見せている。だが水上2軍監督は「(打法を変えても)そんなに飛距離が変わるものじゃない」と話す。半信半疑のままフォーム矯正に取り組ませては効率が上がらないため、当時と同じ金属バットで実際に体感してもらおうという作戦だ。同監督は「ほら、飛ぶだろう?

 というのをわかって欲しい」と説明した。

 そこで興味がわくのは、一流のプロの長距離砲が金属で打つと「一体どれだけの飛距離が出るのか」という点。高校時代に170メートル弾を放っている中田だが、プロ入り後の振り込みとウエートトレによってさらにパワーが上がっているのは確実。同監督は「楽しみ。(左翼後方の)室内練習場の屋根に直接当たるんじゃないかな」と驚異の200メートル弾を予想した。

 大村コーチが「それ(金属バット練習)で崩れてはいけないから、フォームが固まってから」と話すように、実際に行われるのは先の話。だが中田も「金属で打つのも難しい。そのときは楽しんでやれればいいです」と笑顔を見せた。怪物が1軍昇格を果たせるために、首脳陣はさまざまな手だてを講じている。【本間翼】