<阪神2-0中日>◇9日◇甲子園

 

 「8回完全男」の中日山井が今季初登板で2イニングをパーフェクトに抑えた。今季1軍初登録されたこの日、5回から2番手で登板。2死から2000本安打に王手をかけている金本を131キロスライダーで空振り三振に仕留め、続く6回も3者凡退。最速149キロの直球とスライダーのコンビネーションで封じ込めた。「緊張しました。金本さんというより誰にも打たれたくなかった」と復活登板を振り返った。

 昨年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦で8回完全のまま守護神岩瀬にマウンドを譲り、時の人となった。さらなる飛躍を狙っていたが、今季は出足でつまずいた。3月2日の日本ハムとのオープン戦(北谷)で右足内転筋を痛め、2軍スタート。この日ようやく1軍初登録された。「(けがは)悔しいのは悔しかったけど、やっちゃったものはしようがない。気持ちを切り替えて…」。もどかしい日々を、そう振り返った。

 日本シリーズから通算すると10イニングパーフェクト。本来は先発投手の山井が完全復活し、再び中日は1軍に先発7人をかかえる。落合監督は「これでまた競争が激しくなるだろう。無駄に終わらせないものを見せてくれたんじゃないか」と収穫に挙げた。