<阪神2-0中日>◇9日◇甲子園

 中日が阪神下柳にひねられた。変化球を丁寧に投げ分ける投球術に翻弄(ほんろう)され、7イニングでわずか2安打。8回からつないだ久保田、藤川にもノーヒットに封じられ、今季最少の2安打で初の完封負けを喫した。首位阪神に連敗となり、初のカード負け越しも決定。金本の2000本安打を阻止し、今季1軍初登録された山井が2番手で2回をパーフェクトに抑えたことが救いだった。

 落合監督は、表情を変えないまま淡々と口にした。「シーズンは長い。こういう日もある」。開幕11試合目で今季初の完封負け。今季ワーストのわずか2安打で首位の阪神に連敗した。

 かつての「天敵」にひねられた。先発下柳に7回2安打無失点の好投を許し、三塁が踏めなかった。スライダーとシュートを両コーナーに決められて打線は沈黙。田中監督付スコアラーは「今日の下柳はシュートをよく投げていた。フォークのイメージがあったんだが…」と振り返った。

 チャンスは2度だけ。3回無死二塁では谷繁、チェン、荒木が倒れて走者も進めず。4回2死一、二塁では、中村紀が132キロのシュートで一ゴロに倒れた。その2イニング以外は、すべて3者凡退に封じられた。

 昨季は対下柳で荒木が打率5割、井端が打率4割と「アライバコンビ」が攻略の突破口を開いた。だがこの日は2人で6打数1安打。そのヒットも井端の内野安打だった。荒木は「コントロールが良くて甘いボールがなかった」。井端も「コーナーでのボールの出し入れが良かった。低めも振らないでいかないといけなかった」と振り返った。

 05年は「天敵」下柳に0勝3敗で阪神にリーグ優勝を許す一因となった。最近2年は6勝4敗と勝ち越したが、この日で通算10勝10敗の五分に戻った。高代野手総合チーフコーチは「(下柳との)相性はよかったけど、丁寧に投げられた。こういう時もある。反省して次に生かせばいい」。同一カード初の負け越しも決まったが、オレ竜軍団はやられっぱなしで終わるつもりはない。【益田一弘】