<オリックス4-5楽天>◇30日◇京セラドーム大阪

 疲労困憊(こんぱい)の延長10回勝利だった。楽天が随所にボロを出したものの、総力戦でオリックスから白星をもぎ取った。2点リードの9回に、2番手・有銘が二塁打、青山が同点2ランを喫した。10回にフェルナンデスがこの日4安打目の決勝適時打。9回1死二塁から小山が無失点で1回2/3を抑え切った。試合前から風邪気味の野村監督は「疲れた。本当に疲れた」と体をのけ反らせた。

 勝つには勝ったが、打線は球団新記録の5併殺。先発永井は8回2失点も、援護直後に失点するリズムの悪さ。野村監督は「5併殺?

 これが楽天野球です。安打多くして得点少なし。永井ってのは本当に疲れるわい。3カン(甘)投法だよ。制球が甘い。フォークが甘い。顔が甘い。今日は顔が甘いのがダメだ。青山、どうすりゃいい、再生法は?」と、ノンストップでボヤキまくった。

 もっとも、ボヤキ連射は、ペナントへの意欲の裏返し。4月を球団最多の貯金3で通過し、2位をキープ。「我々は、やっている以上、頂点を目指している。勝ち抜いて日本シリーズを戦うには、小さなことが大事なんだ。これでは日本シリーズを戦えない」と野村監督。格好悪い勝利だったが、新しい楽天が始まる兆しが見えた。【金子航】