<広島4-3横浜>◇3日◇広島

 広島高橋建投手(39)が投打で「おじさんパワー」全開だ。0-0の5回2死一塁。三浦の内角に食い込む速球をライナーで右翼席に突き刺した。値千金1号2ランは7年ぶりの通算3号2ラン。この一撃で自らを助け、今季4勝目を挙げた。「いつかもう1本打ちたいと思っていた。狙って打てるもんじゃないけどね。打者としてはアマチュア(レベル)なので。本職の打者より重圧がない分、打ててたんじゃないかな」と満足そうに振り返った。

 拓大3年までは外野手。東都2部で17本塁打を放ち野手としてドラフト候補にも挙がった。トヨタ自動車で投手として開花したが、今でも打撃練習で柵越えするなどセンスは健在。投手のバットは軽めの890グラム程度が主流だが、905グラムを使いこなす。グリップに厚手の緩衝テープを巻き付け、手を痛めないよう工夫している。

 寒い時期になると古傷の左ふくらはぎがうずくが、今年は無縁だった。2月から続けている禁煙も体力維持に役立っている。4回まで毎回先頭を出したが相手のミスにも助けられ6回無失点でリリーフ陣に託した。連続無失点を26イニングに伸ばし、防御率は1・69まで跳ね上がった。「いつかは点を取られるから心の準備をしておくよ」とベテランらしく笑った。【柏原誠】