<中日1-9阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 阪神安藤が被弾のリベンジを果たした。5点先行した8回2死満塁。打席には強打者ウッズを迎える。もう1発を浴びれば1点差に迫られる場面で、気力を振り絞った。速球を外角高めに2球投げ込んで追い込むと、最後は思い切り腕を振った。鋭くフォークを落とし、まともにスイングさせない。右手を天に突き上げて「空振り」のジェスチャーを示した。

 「かったです。(フォークは)狙ったところに投げられたので。この展開なら、最後まで行きたかった。8回は余分でした」。

 救援陣を温存したい9連戦の初戦に、理想的な投球を見せた。06年9月3日横浜戦以来の9回完投勝利こそ逃したが、8回まで今季最多の130球を投げ抜いて1失点。今季4勝目を挙げた。

 岡田監督も充実した内容を称える。「2回負けたけど、2点と3点やろう。ずっとええよ」。先発陣のリーダーへの信頼感は揺るぎない。ナゴヤドームでは2年ぶりの先発だったが、05年以降、先発4連勝。

 「たまたまです。最初、球が浮いて低めに狙っても、低めにいかなかった」。本人は控えめだが、ライバルの本拠地で相性の良い安藤の存在は心強い限りだ。【酒井俊作】