<中日3-2阪神>◇4日◇ナゴヤドーム

 阪神の守護神・藤川球児投手(27)が中日戦で、李炳圭外野手(33)にプロ初のサヨナラ弾を浴びた。同点の延長10回に登板し、2死走者なしから李に4号ソロを左翼席へ運ばれた。2点リードの8回にセットアッパー久保田智之投手(27)が同点を許した。阪神は自慢の救援陣が崩れ、2位中日に1・5ゲーム差と再び接近された。

 今季2度目の延長戦で10回につぎ込んだ守護神藤川が、まさかのアーチを浴びた。李の打球が左翼席へ消えるのを確認すると、マウンドの藤川の目がうつろになった。「うまいこと打たれた感じです。引きずることもない。こういうこともあるのだけど、迷惑をかけてしまったので頑張らないと」と振り返った。

 被弾は昨年10月1日の横浜村田以来で今季初。サヨナラで敗戦投手になるのも昨年9月25日の横浜戦以来で、今シーズンは初めてのことだった。10回、4番ウッズを三振、5番和田を中飛と簡単に抑えた。続く李は通算9打数無安打で6三振と得意だったが、大きな落とし穴が待っていた。カウント2―1と追い込んで勝負にいった外角フォークを運ばれた。

 岡田監督は「球児が打たれたらしゃあない。まだこの時期だし、2イニングいかせるつもりはなかったけどな」とかばった。先発岩田は6回無失点。7回を渡辺が抑え、2点差で久保田投入なら、勝利確率は急上昇のところでシナリオが崩れた。

 8回から登板した久保田が、中村紀に2点適時二塁打を浴び同点を許した。中継ぎ左腕のウィリアムスは現在2軍調整中。JFKが結成された05年以来、藤川と久保田の2人がそろって失点するのは、これで4度目だ。ほかの3投手が無失点というきわめて珍しいケースでの敗戦は、「しゃあない」と割り切るしかなかった。【町田達彦】