<中日7-2横浜>◇16日◇ナゴヤドーム

 中日中村紀のアーチが、またもや勝利を呼び込んだ。1点リードの6回、打線がてこずっていた横浜先発小林のカーブを打ち砕いた。打球は左翼スタンドへ一直線に飛び込む9号ソロ。2-0と突き放した。

 「前の打席で内野安打を打っていたから楽な気分で打席に入れたよ」。4回の第2打席、ボテボテの三塁へのゴロに、巨体を揺らして懸命に走った。間一髪で一塁はセーフになった。2試合ぶりのヒットに表情もほぐれた。そして第3打席に待望の追加点をたたき出した。

 これで中村紀が本塁打を放った試合は昨年9月7日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)から12連勝。さらに打点を挙げた試合は昨年のクライマックスシリーズ第1ステージから20試合無敗(2分け)。打順こそ6番だが、打てばチーム全体が波に乗る。

 「あんまり言わんといて!

 マークされるから」。試合後、不敗記録について聞かれるとちゃめっ気たっぷりに言って笑わせた。この1発で本塁打数はチーム単独トップに立った。森野が長期離脱となる中で、中村紀にかかる比重は今後ますます大きくなりそうだ。【鈴木忠平】