<西武10-3中日>◇1日◇西武ドーム

 中日が今季4度目の2ケタ失点で大敗し、6月黒星スタートとなった。先発中田が4回5失点と崩れ、2番手川井も1イニング5失点の大乱調。井上、和田、デラロサがタイムリーで反撃したが及ばず、2点台をキープしていたチーム防御率は初めて3・00と大台に乗った。首位阪神とのゲーム差は「5・5」。高卒ルーキー赤坂和幸投手(18=浦和学院)が4番手で無安打無失点デビューする明るい話題を差し引いても、投手陣への不安が膨らんだ。

 最後にロッカー室を出た落合監督は、薄い笑いを浮かべた。中田の乱調について問われ「何をそんなに過大評価している?

 選手みんなを過大評価しすぎだ」。パ・リーグ首位の西武に大敗。波に乗れない現状を、ありのままの現実として受け入れた。

 西武の重量打線に打ち砕かれた。先発中田は4回先頭から2者連続四球を与えて崩れた。中村の2点適時打、細川の8号3ランを浴びて4回5失点でKO。4月29日横浜戦以来1カ月以上も勝ち星がないだけに「ずっと自分の思い通りにいかない。四球を出さない方法がわかれば…」。ブルペンでは捕手より1メートル後方を目標にして「ミットを突き抜けるイメージで投げる」という練習を繰り返しているが、結果が出なかった。

 5回に登板した2番手川井も、中田と同じく四球から崩れた。先頭の栗山を歩かせて、連打を浴びた。味方の失策も絡んで1イニングで打者10人に5安打5失点。「抑えなければいけなかった」とうなだれた。5回で10点のビハインドとなれば、もはや試合にならなかった。

 今季4度目となる2ケタ失点の屈辱で、チーム防御率は3・00となった。4月終了時は同1・88と記録的な数字を残したが、5月は月間で同4・09。昨季チームトップ14勝の中田と、12勝の朝倉がそろって5月から未勝利で、朝倉は2軍調整中。ローテの軸になるべき2人の不振が、苦戦の要因の1つになっている。5月は12勝12敗1分けと五分の星でしのいだが、今後も厳しい戦いが続くことを予感させるような6月黒星スタートとなった。【益田一弘】