<ロッテ5-4中日>◇4日◇千葉マリン

 中日が守りのミスで自滅した。0-2の2回2死走者なしで左翼和田がロッテ竹原の平凡な飛球を見失ってランニング本塁打とし、2-4の5回には右翼井上の内野への返球が悪送球となる間に5点目を失った。通算200勝にあと4勝の先発山本昌は守備の乱れをカバーできず、今季ワースト5失点で2敗目を喫し、プロ野球26人目の通算150敗となった。首位阪神が勝ち、ゲーム差は今季最大の「6」に開いた。

 和田は、捕球姿勢のまま動かなくなった。0-2の2回2死、竹原が高々と打ち上げた左翼フライ。ボールは、両手を上げた和田のはるか後方のフェンス際に落下した。あわててカバーに走った中堅李が拾ったが、時すでに遅し。痛恨のランニング本塁打となった。

 和田は「(打球が)球場の上を抜けてからは、最後まで見えなかった」と説明した。午後6時50分、ちょうど太陽が沈む時間。「薄暮にはいつも気をつけているんだけど」と悔やんだ。高代野手総合チーフコーチは「外野の3人は3人ともボールが見えなかったといっていた」とかばった。

 千葉マリンの左翼は西武時代に何度も守ったはずだった。和田は交流戦について「いつも6連戦に慣れている体だから、リズムがとりにくい」と話していた。試合間隔が空くため2日の移動日は休日を返上。前日3日も雨天中止で、この日は3日ぶりの試合だった。

 守備の乱れは続いた。2-4の5回無死二塁。5試合ぶりに先発復帰した井上が、西岡のポテンヒットをダッシュして捕球。体勢を崩したまま中継の荒木に悪送球した。ボールが内野を転々とする間に二塁走者堀が一気に生還し、5点目を失った。高代コーチは「あそこまであわてる必要はなかった」。井上はミスについて「何でだろうね」と首をひねった。

 この日は今季54試合目で初めて和田、李、井上の3人を同時に先発させた。守備に定評がある英智、藤井はベンチスタートで、打撃重視の布陣だった。落合監督は「点を取りにいくメンバーか、点をやらないメンバーか。組んだ段階である程度覚悟している。普通のフライを普通にとって、普通のゴロを普通にさばいてくれればいいんだけどな」と口にした。歯車がかみ合わないまま連敗を喫し、交流戦は「借金3」となった。【益田一弘】