苦境の先発投手陣を救え!

 2軍調整中の阪神金村暁投手(32)が交流戦明けの7月初旬にも1軍に合流することが14日、分かった。この日のロッテ戦でアッチソンが9失点KO。交流戦19試合で先発投手が勝利を挙げたのは、5度だけ。崩壊寸前の先発ローテーションの救世主として、金村暁が浮上してきた。ケガや不振で開幕から2軍生活が続くが、ようやく復調の兆しを見せている。遅れてきた新戦力が首位独走の新たなエンジンになる。

 首位独走の陰に隠れていたが、先発投手陣のほころびが次第に大きくなってきた。この日はアッチソンが大炎上し、岡田監督はあきれ果てた。「2点取ってもらって、いきなりあれじゃ、どうしようもない」。交流戦に入ってから、先発投手に白星がついたのは、たった5試合だけ。12日西武戦でも頼りの岩田が5回5失点でKOされた。独走気配とはいえ、このまま、先発スタッフの不調が続くのは不安要素に違いない。

 この状況を打開するべく、首脳陣は次の一手を検討している。それがトレード移籍してきた金村暁の1軍昇格だ。球団関係者は「完全に調子が戻ったとは言えないが、7月からまた同一リーグとの6連戦になる。先発投手の枠も空くし、そこで計算している」と話す。

 5人の投手でローテーションを回してきた交流戦が終わると、通常のシーズンで1人先発が不足することになる。そこで新戦力の投入となるわけだ。順調に仕上がれば、7月4日からの横浜3連戦(横浜)でのタテジマデビューが有力だ。

 金村暁は3月に左太ももを痛め、開幕を2軍で迎えた。完治した後も不調に苦しみ、ファームでも結果を残せなかった。しかし7日のウエスタン・ソフトバンク戦では3回3失点ながら復調の兆しを見せた。

 この日は鳴尾浜球場で、シート打撃に登板。打者8人に対し、34球。今岡から見逃し三振を奪うなど、上々の内容だった。「前の登板から間隔が空いていたので、いい調整になった。ブルペンでただ投げるのとは違うから」。手応えを感じたのか口調は滑らかだった。

 腰痛で離脱している安藤も交流戦直後の復帰が可能。きょう15日のロッテ戦では3年目の鶴が先発で1軍デビューを果たす予定。金村暁も含め、貯金が豊富な間に、ローテーションの再建を目指す。