ソフトバンク王貞治監督(68)が4番小久保へ「不変のススメ」を説いた。18日のヤクルト戦(長野)の相手先発は石川の予想。6月12試合で10度目の左腕との対決。今季対左投手の打率が1割9分4厘と苦しむ小久保に対し王監督は「大砲でもあり、ポイントゲッターでもある。打ち方を相手に合わせて変える必要はない。走者無しで迎える5割バッターより、2割でも1発あるバッターの方が怖いのだから。やっぱり本塁打は流れを変える」と、あくまでもアーチ指令を出した。

 6月の小久保は先発左腕に18打数2安打と振るわない。石川とは前回4日に対戦し、チームは過去3年間4戦無敗だったカモに連勝を5で止められ、小久保も内角に切り込む球と外角チェンジアップに苦しめられ、併殺打を含む3の0。新井打撃コーチから「左が相手だと内からバットを出す意識が強く右ひじが寝ていることが多い」と、臨時指導を受けることもあった。

 もちろん現在チームトップの本塁打14発を放つ男もリベンジへの青写真を用意している。「石川にはこの前やられたから。振らせようと投げてくるチェンジアップを振らず、入ってくる球を狙う。コースは絞る」。青学大の後輩に2度も負けるわけにいかない。3年ぶりの交流戦本塁打キングへは3本差の2位タイ(6本)につける。届かない位置ではないだけに、指揮官の期待に応えるつもりだ。

 優勝争いの可能性を十分に残し、交流戦は残り4試合。王監督は「初優勝?

 それは考えないよ。むしろ今のいい流れで戦うことが大事。目の前だよ」と、4連勝の勢いを継続させたい考えだ。「西武とは一時は7・5ゲームだったからね」と話すように、あくまでもペナントに照準を合わす。まずは目の前に立ちはだかる左腕を4番のバットが打ち砕く。【押谷謙爾】