<阪神0-4日本ハム>◇21日◇甲子園

 日本ハム先発スウィーニーが、交流戦逆転Vに望みをつなぐ立役者だった。直球、変化球のキレを武器に安定感のある6回4安打無失点で、今季2度目の虎退治。「大量失点の大ケガをしないような投球を心掛けたのが良かった」。笑顔で振り返ると、絵に描いたような“いい人”の助っ人は「ドウモ、アリガトウ」と日本語でお辞儀した。

 縦横無尽に動き回った。一塁ベースカバーでの転倒に加え、打撃でもハッスルした。3回の右前打は来日初安打。交流戦前のミーティングで梨田監督の「打撃に自信のない人」という確認に、1人だけ挙手したスウィーニーは「目をつぶって打ったのが良かった」とおどけた。4回には初打点も記録。ユニホームは泥だらけだったが「汚れるのは好き」と充実感たっぷりに話した。

 今季6勝目で勝ち数が早くも昨季に並んだ。「自信がつき、落ち着いて自分の投球ができるようになった」。交流戦は3勝目で防御率は1・32とダルビッシュをしのぎ、優勝すれば投手ではMVP最右翼だ。今季は年俸が2000万円ダウンの推定4400万円で更改。当初は日陰の存在だったが、不調な昨季交流戦MVPグリンとは対照的に、今では先発の核を担う。

 「MVP?

 そんなことはいいよ。優勝すればチームの一部としか思わない」とフォアザチームを強調した。昨年の優勝時、自身の貢献度が低いことでビール掛けの参加を拒んだジョーンズを「みんなチームの一員なんだ」とやさしく説得した逸話を持つ。和を重んじる先発右腕が欠かせない存在になってきた。【村上秀明】