<横浜1-2中日>◇27日◇横浜

 中日先発川上が粘りの投球で6勝目を挙げた。本調子ではなかったが「あと1本」を打たせない。0-0の7回、捕手谷繁の失策で1死一、二塁のピンチを迎えたが「ああいうところこそ守らないと」と燃えに燃えた。金城を147キロで左飛、仁志を135キロカットボールで右飛。両手を握りしめてベンチに戻った。7回6安打無失点でリリーフにマウンドを譲った。

 打たれるわけにはいかなかった。谷繁は左脇腹肉離れから復帰し、24試合ぶりの先発マスクだった。これまで何度も好リードで救ってくれた正捕手。今度は自分が助ける番だった。連勝中のチーム事情もわかっていた。勝てば勢いに乗り、負ければ首位阪神追撃ムードに水を差す。通常より1日短い中5日の登板間隔だったが、意気に感じて投げた。

 エースのプライドを見せつけた川上に、熱い視線も注がれていた。米大リーグ・マリナーズの山本泰日本担当スカウト(62)が今季初視察。FA権を取得した川上に対し「上原、岩瀬と並んで日本人投手では今年の目玉です。コントロールがいい投手だから大崩れはしないだろうね」とあらためて高評価していた。実際に獲得に乗り出すかは未定だが、この日はヤンキースのスカウトも観戦。徐々に大きくなる注目の中で、川上は勝ち星を重ねていく。