<巨人4-7中日>◇15日◇旭川

 中日荒木雅博内野手(30)がセ・リーグ30年ぶりの両球団先頭打者本塁打を演出した。初回先頭の打席で木佐貫の2球目のストレートをたたき、左翼席へ3号ソロをたたき込んだ。その裏巨人の1番高橋由も12号ソロを放ち、珍しい記録が成立した。「ずっと(バットが)振れていなかったのでこれで吹っ切れればいいなと思います」と話した。

 荒木にとっては3本目の先頭打者アーチだが、過去2本も巨人戦だ。01年8月25日に河原から1本目を放ち、05年4月24日に工藤から2本目を打っている。相手が強いほど燃えるのが身上。この日も2位の座を明け渡した相手に対し、先手必勝を胸に秘めていた。

 不振脱出へのきっかけもつかんだ。この試合まで3戦ノーヒット。チーム低迷の責任を感じるあまり、打撃の調子を崩す悪循環に陥っていた。「今まで考えすぎていた」。この日は2打席目に中前打、3打席目にも中前打を放ち3安打1打点と打ちまくった。

 9回最後の打者の二塁後方への小飛球はジャンプしてつかみ取った。「ウイニングボールはマサさんにあげました」。山本昌の197勝目に貢献できたこともうれしかった。【村野森】