<巨人7-0ヤクルト>◇27日◇東京ドーム
辛酸をなめた巨人の2人が復活打を放った。ヤクルト戦の6回、李承■内野手(31)が1号ソロをバックスクリーンにたたき込むと、代打二岡智宏内野手(32)が復帰後初の適時打を右前に決めた。不振に苦しんだ李とケガや不倫騒動に悩んだ二岡だが、頼れる男として1軍に舞い戻り、4連勝に貢献した。首位阪神が中日に敗れたため、ゲーム差は再び2ケタを切って9・5となった。
巨人にとって何より心強い2人が、持ち味を発揮した。3点リードで迎えた6回だった。まずは李がファンの声援を一身に受けた。ど真ん中に入ってくる甘い直球を振り抜くと、打球はバックスクリーンへ激突。その力強い放物線が、そうだ、これが李だ、と思い出させた。そのままでは終わらない。1死二塁のチャンスで、次にファンを沸かせたのは二岡だった。右前への適時打で今季初打点。2人に向けて「おかえり」という気持ちを表現するようにオレンジ色のタオルマフラーが振られた。
悔しいシーズンを強いられている2人だ。2軍での日々。李は「1軍でみんなとゲームできないということが苦しかった」と吐露した。チームに貢献できないまま北京五輪韓国代表に選ばれると悩み抜いた。国民感情からして辞退は許されないが、高額年俸を払ってくれているチームに貢献できないまま五輪に出場することもつらかった。だから、五輪への気持ちは封印している。残り2試合。雑念を消し、巨人のために貢献することだけを考える。五輪のことは「終わってから考えたい」と口元を結んだ。
二岡は開幕戦で痛めた右ふくらはぎの肉離れからの復活に、思いのほか時間がかかった。ようやく復帰という段階に来て、自らの不注意で不倫騒動のスキャンダルを招いた。「空気も入って来ない」と周囲にもらすほど、精神的につらい日々を送った。それだけのことをしたからだと責める向きもあるが、巨人ファンは違う。この日も二岡が打席に立った時、最も大きな声援が送られた。「感謝しています。初タイムリー?
良かったと思います」と静かに感謝を口にした。
2人の活躍は、巨人に開幕メンバーが戻って来たことを強く印象づけた。原監督は「待ったかいがあった?
それはこれからの言葉でしょう。ただ、これからチームの車輪となって進ませてくれるでしょう」と今後に期待した。どん底を経験し、挫折を味わったからこそ強くなれる。今季、今までにない悔しさを味わった李と二岡に、それを期待したい。【竹内智信】※■は火ヘンに華



