阪神金本が矢野、新井、藤川の3人が抜ける五輪期間中も主砲としてチームを引っ張る。金本は現在、プロ通算1285打点を記録しており、あと1打点でプロ歴代14位の山内一弘氏に並び、阪神在籍選手の中でトップタイに躍り出る。後半戦の初戦は、ここまで打率3割7分と相性のいい横浜での試合。プロ通算2000本安打を達成した思い出の地で、今度は1286打点目をたたき出し、チームの勝利につなげる。

 五輪期間中は最大で14試合を3人を欠いた状態で戦うことになるが「任せろという気持ちを皆が持っていると思う。帰ってくるまでマジックを減らせるだけ減らしたい」と前向きだ。

 弟分として3番でつなぎの役割を果たしていた新井も抜けることになるが「これまでと一緒。(新井が)5番を打っていたなら違うけど、前を打っている訳だから。逆に(自分が)どれだけ気を使っていたかということ」とニヤリ。「球児、矢野の(抜ける)分は大変だと思うけど…」と、お決まりのアニキ流ジョークで、チームを離れる弟分を激励した。

 オールスター明けのこの日は、横浜市内の宿舎で静養。後半戦に向け、英気を養った。2位巨人とのゲーム差は9・5あるが「ゲーム差は考えていない。(巨人の)5連勝と(阪神の)5連敗で(ゲーム差は)すぐになくなるもの。ゲーム差はないつもりでやる」と言い切った。背後から追いかけてくる敵は関係ない。目の前の試合に全力を注ぎ、一歩ずつ優勝の2文字へと歩みを進める。【福岡吉央】