<中日2-4巨人>◇3日◇ナゴヤドーム

 反攻の後半戦が始まった。巨人が中日に4-2で競り勝った。2-1と勝ち越した7回、小笠原道大内野手(34)が勝負を決める21号2ランを右翼席に打ち込んだ。上原、阿部、李の3人を北京五輪で欠くが、7月からのチームの勢いは変わらない。前半戦は5連敗スタートだったが、後半戦白星発進で貯金をついに2ケタの大台に乗せた。大勝して優勝マジックを40とした阪神との差は9・5ゲームのままだが、あきらめることなく逆襲のチャンスをうかがう。

 ものすごい打球音を残して、ボールは飛んでいった。小笠原のフルスイングから飛び出した打球はあっという間に右翼席に飛び込んだ。「打球?

 見てなかったよ。余裕なくて。走ってたからね」。本人は見ていなくても、ナゴヤドームのファンの目にはくっきりと焼き付いた。

 小笠原がいてくれて良かった。後半戦開幕を迎えたこの日は、北京五輪代表選手抜きでの初めての試合だった。上原、阿部、李が抜ける中、勝利をたぐりよせたのは直前まで代表候補だった小笠原だった。新井のケガの状況しだいでは代表に選出され、チームを離れていてもおかしくない。この打撃を北京で見たい気もするが、巨人にとっては行かないでくれて本当に助かった。「3人抜けてるけど、力を合わせてやっていくしかない」と今後の奮闘も約束した。

 北京五輪代表候補に選ばれた7月に調子を上げた。ともに1月から宮崎入りしリハビリを手伝った白井打撃投手が証言する。「春先と違うのは、こっちがコントロールミスをしても拾ってくれるところ。五輪候補に選ばれた時、何か感じた部分もあったんじゃないか」。代表に選ばれるのに、恥ずかしい成績のままではいけない。チームに対する責任感が、調子を押し上げた。代表入りはならなかったが、その成果は今、ここで生きている。

 9年連続出場していた球宴に今年は出られなかった。だが、2日間の休みを有効に使った。「ずうっと寝てた。結果が出たから良かったね」とニコリ。張り詰めていた気持ちと、限界すれすれで奮闘していた体を休ませられたことで、切れ味は増した。これで貯金は今季最多の10に増えた。原監督は「なったという事実は否定しない」と、まだまだ数字を気にしないが、いい後半戦のスタートが切れたのも事実。がむしゃらさを失わないサムライが、その立役者だった。【竹内智信】