<巨人7-11横浜>◇6日◇金沢

 自力優勝の可能性が復活した巨人が、最下位横浜に手痛い黒星を喫した。同点の7回、2死一、二塁から谷佳知外野手(35)が右前適時打。さらに二岡智宏内野手(32)の適時二塁打で2点リードを広げたが、8回、豊田清投手(37)が1アウトしか取れず、一挙4失点で逆転を許した。首位阪神が今季2度目の3連敗とペースダウンしたが、巨人は5月28日以来の8ゲーム差となるチャンスを逃した。

 巨人の勝ちパターンが崩れた。7回に2点勝ち越し、8回にはセットアッパー豊田が登板した。しかし豊田は先頭から3連打を許すなど乱調。1死しか取れず2点を奪われ降板。急きょ救援した西村健も、相手に傾いた流れを止めることができなかった。前日5日には首位阪神が2連敗し自力Vの可能性が復活したが、ここまで10勝3敗1分けの最下位横浜に手痛い逆転負け。阪神と8ゲーム差に縮めるチャンスを逃した。

 ダブルセットアッパー役を担った上原は北京五輪参加で不在。豊田は両ふくらはぎ痛が出て、7月23日の阪神戦(甲子園)以来のマウンドだった。球宴前から試合を離れ調整。患部に問題はなかったが「単調。若いヤツみたいに投げてしまった。もっといろいろとやらないといけないのに。久しぶり?

 それは言い訳になるから。コントロールが甘かった」と反省しきりだった。

 速球は最速146キロをマークしたが、力んで高めに浮いた球を痛打された。越智ら若手中継ぎ陣もピリッとしなかった。原監督は豊田について「久々?

 でもあそこを抑えるのが役割だから。何とか次にバトンを渡さないと」とコメントした。それでも敗因は5回の拙攻を挙げた。先頭打者の鈴木尚が二塁打で出塁しながら、2番古城が送りバントを失敗。結局、二飛に倒れ、「あそこで送ることができず、試合の流れを遮断してしまった」と振り返った。古城は「いろいろ考えすぎた」と役割を果たせなかった。

 後半戦は1勝2敗で黒星が先行した。上原、阿部が五輪で抜けたが、阪神、中日に比べると戦力ダウンは少ない巨人。五輪期間中は追撃チャンスだが、勝てる試合を落としていてはムードは盛り上がらない。【小島信行】