<広島4-5中日>◇12日◇広島

 中日山本昌投手(43)が広島打線を8回6安打4失点に抑え、11日に43歳の誕生日を迎えてから初の白星を手にした。1点リードの8回裏、栗原に同点の15号ソロを浴びたが、9回に李のこの日2発目となる決勝10号ソロが飛び出し救われた。自身5連勝とし、今季8勝目、平松政次氏(大洋)に並ぶ史上22位タイの通算201勝目をマーク。チームは引き分けをはさんで3連勝となり、一時は14ゲーム差をつけられていた首位阪神に10差とした。

 試合終了の瞬間、山本昌はバツが悪そうに笑った。。通算201勝目はほろ苦かった。「アンラッキーだと思っていたらラッキーだった。あそこでホームランはいかんね」。1点リードの8回2死から栗原に痛恨の同点弾を浴びたが、9回に李の決勝ソロが飛び出して勝利投手。自身5連勝でチームトップタイの8勝目。4日巨人戦で通算200勝を達成した次の登板は運にも恵まれた。

 11日に43歳になったばかり。200勝直後の登板で、負ければ周囲から何を言われるかわからない。「たるんでると言われないように投げた」。両翼91メートルの広島市民球場でも1発を恐れることなく直球で押した。繊細な制球を誇る山本昌ならではの芸当。4点リードの3回には石原にソロを浴び、さらに自身の悪送球で2点差。8回に同点とされたが、最後まで崩れなかったことが勝利を呼び込んだ。

 「(前の登板が)199勝目だったらきょうは勝っていないだろう。200勝したから、今日、勝ちがつくんだ。これで勝っちゃうんだから勝ち運があるんだろう」。落合監督も200勝投手・山本昌の勢いを勝因にあげた。

 これで平松(大洋)に並び勝利数は歴代22位タイ。43歳以上での勝利は浜崎(阪急)、工藤(横浜)に次ぐ3人目だ。前日の誕生日についても「特に関係ない」と年齢は意識しない。史上最年長43歳での2ケタ勝利、球団記録の211勝へ、山本昌が新たなスタートを切った。【鈴木忠平】