<巨人2-4阪神>◇13日◇東京ドーム

 「JA」の好投が勝利への機運を高めた。1-1のスコアで迎えた8回裏。好投していた岩田からバトンを受け継いだのは、中継ぎに転向しているアッチソンだった。速球とスライダーのコンビネーションが絶妙。2死を奪うと、木村拓には追い込んでから速球勝負。外角に決め、見逃し三振に封じた。

 「打たれたら終わりとか考えずに、3-2のスコアで勝っている心づもりで投げた。今日は絶対に勝ちたい気持ちが強かったから」。アッチソンは充実した表情で話した。

 2イニング目の9回も2三振を奪うなど、無失点の好投。直後に金本の勝ち越し3ランを呼び込む貴重なピッチングとなった。6月22日日本ハム戦以来の6勝目をマーク。北京五輪代表の藤川を欠き、救援陣は不安定な状態が続いていたが、助っ人の快投で流れを変えた。メジャー時代はセットアッパーとして活躍。先発からリリーフに回って好投を重ねる姿に岡田監督も手応えをつかんだ様子だ。

 「(延長10回裏は)点が入らなくても、ジェフを行かせるつもりやった。あとの投手も控えているからな。今日はアッチソンがよく止めてくれたよ。あそこで切ってくれたから」

 3点リードした延長10回にはウィリアムスを投入した。いきなり二岡に右翼への本塁打を浴びたが、後続を落ち着いて料理。「代役守護神」としての役割を果たし、今季2セーブ目を挙げた。来日1年目の03年には25セーブをマーク。クローザーとして優勝に貢献した経験が生きている。ウィリアムスも声を弾ませる。

 「長い間、チームが負けていて難しいところ。最後は一番大事な3人を、気を使って投げたよ。アッチソンがいい投球をしていたから、勢いに乗せられたね」

 この日はリーソップを温存したが、北京五輪モードに入って初めて勝利への継投がズバリとはまった。再加速するためにも、百戦錬磨の助っ人衆が「勝利の方程式」を築き上げる。【酒井俊作】