<広島4-0中日>◇14日◇広島

 広島赤松真人外野手(25)が値千金の2ランで中日を粉砕した。0-0の6回、1死一塁。中日川井の直球だけを待っていた。「ためらいはなかった。とにかく強く打とうと思った」。中堅左に突き刺さる貴重な1本。広島は3位中日とのゲーム差を1カ月ぶりに「2」に詰めた。

 過去3年間でサク越えなしの男が今季7本目のアーチだ。オフに星野ジャパンの4番・阪神新井のFA移籍にともなう人的補償で広島に移籍した。そのとき心に決めた。「阪神ではこうしたらダメ、こうしなきゃダメと受け身の姿勢で打撃も守備もしていた。広島では思い切って自分らしい攻めるプレーをしよう」。

 阪神時代から定評のあった守備走塁だけでなく、長打力が花開いた。アマ以来数年ぶりに戻したオープンスタンスで巨人戦での3戦連続弾、日本ハム・ダルビッシュからの先頭打者弾などチームに貢献してきた。この日は7回2死二塁からとどめの適時三塁打も放った。滑らず余裕で間に合うプロ初の三塁打だ。

 ブラウン監督は「赤松のように本塁打も三塁打も打てる選手は特別。そういう選手を育てていけばチームは強くなる」。広島は赤松を、天谷らとともに黄金時代を担う人材として“強化指定”している。

 人生初のお立ち台にも上がった。赤松にとっての記念の1日だが、チームにも阪神、中日との6試合を5勝1敗で終える大きな1勝となった。「広島は強いです。2位になりますよ。1位?

 えへへへ」。連日の強敵食いでも赤松は満足していない。【柏原誠】