<阪神1-4中日>◇27日◇甲子園

 ボギー、もう使えん!

 同じようなパターンでも勝ったらうれしいけど、負けたら余計、腹立ちますねえ…。先発ライアン・ボーグルソン投手(31)はまた“5回病”が出て、岡田監督にすっかり見切られた。救援の久保田も制球を乱して2失点といいところなし。5連敗で止まった阪神はめずらしい3度目のマジック消滅だ。新井も心配だし、なかなかスッキリとはいきませんな~。

 我慢の限界を超えていた。またも独り相撲で失点したボーグルソンに、岡田監督がさじを投げた。いい流れの連勝を止め、3度目のマジックナンバー消滅を招いた助っ人を、完全に見限った。7番からの攻撃だった5回に二塁打と2四球で満塁として荒木に決勝2点打を浴びるモロさでは、先発を任せられない。

 「もう一緒よ、言うこと。評論家みたいなことしか言えないけどな。1回に2個も四球出したら点は入るわな。今後の起用法も、もうな、このあと何試合もないわけやからな」

 優勝にひた走る今季の残り試合は「35」。大型連戦が控えるだけに、先発投手の頭数はそろえておきたいところだが、3勝4敗と負け数が先行したボーグルソンは完全に土俵際に追い込まれた。少なくとも指揮官の期待は、2軍調整中の福原、石川らの仕上がりに傾いている。

 この時期のローテーションからの脱落は、来季契約にも直接響く。ウィリアムスの残留が決まり、バルディリスとリーソップは契約上、来季も在籍することが濃厚だ。ここに来てアッチソンは中継ぎ転向がはまり、評価アップ。だが背水のボーグルソンには名誉挽回(ばんかい)の機会すら巡ってこない可能性が出てきた。

 「俺は野手やったけど、四球だけはどうしようもない。どんだけ飛びつこうと思っても、四球でゆっくり一塁に歩かれてはな。久保田も一緒よ。防ぎようがない」

 ボーグルソンと並んでやり玉に挙げたのが、1点差の8回に決定的な2点を失った久保田だ。ここ2戦は3者凡退と復調したかに見えた右腕が、3連投のこの日は別人。1死満塁で中村紀を見送り三振に抑えながら、森野に押し出し四球、さらに暴投であっさり追加点を与えてしまった。

 「すべては結果なので」。早くも60試合目の登板となった久保田は、口元をきつく結んだ。順調に見えながらも、時折、顔をのぞかせる投手陣のほころびが、トラのラストスパートを鈍らせている。【町田達彦】