北京五輪の野球日本代表監督を務めた星野仙一氏(61=阪神シニアディレクター=SD)が、来年3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督への就任を固辞する意向であることが9日、分かった。4位に終わった五輪での采配などに批判が集中していることを踏まえ、8日付の自身公式ホームページ上で「火だるまになっているおれがなんでまた“火中の栗”を拾うようなことをするのか」と述べたもの。有力候補として挙がっていた同氏の否定的発言により、WBC監督問題は混迷を深めることになった。

 WBC監督の有力候補とされている星野氏が、現段階で受諾する考えのないことを明らかにした。8日付の自身ホームページ上で「こんな世論やメディアの状況のなかでやったとしても決して盛り上がらない。今、火ダルマになっているおれがなんでまた“火中の栗”を拾うようなことをするのか」と注目発言を行った。

 先月の北京五輪では韓国、キューバ、米国に敗れるなど4勝5敗と惨敗を喫し、4位で終了。第2回となるWBCを率いる人材について、第1回の優勝監督でもあるソフトバンク王監督が「現場の監督は難しい」と語り、巨人渡辺恒雄球団会長(82)が「星野君にも欠点はあるかもしれんし失敗したかもしらんが、星野君以上の人物が、おれはいるとは思わない」と支持する姿勢を打ち出すなど、その動向が注目されていた。

 メダルを逃した星野ジャパンは、帰国後、厳しい批判にさらされた。「批判はおれ1人が受ける」と矢面に立つことを覚悟していたが、体調を崩して数日間寝込んだほどだった。

 このような周囲の状況を察し、WBC監督の要請がきた場合に言及。「娘たちもおれがこうしてさらし者になっていることで、余計に心を痛めているし、『パパ、ユニホームはもういやよ。長生きすることのほうを考えてちょうだい』っていっている」とホームページ上で明かし、指揮をとることには否定的だ。

 またこの日、近い関係者には現在の心境について「五輪で負けたおれが、仮にそんな(WBC監督の)話が来ても、右か左かだとか、なにも言えるわけがない。今のおれにはそんな資格がない」と打ち明けたという。

 これまで日の丸を背負った男は「失敗しても、失敗してもチャレンジする人生がいい」と、もらしながら苦悩を続けていた。日本球界がリベンジする舞台になるWBC監督問題は、星野氏が固辞の姿勢を示したことで、まさしく白紙の事態に陥った。【寺尾博和】