<中日3-2巨人>◇9日◇ナゴヤドーム

 中日岩瀬のピッチングには貫禄(かんろく)が漂っていた。1点差で迎えた9回、当然のごとくマウンドに上がった。二岡を空振り三振、阿部を遊ゴロ、坂本にヒットを許したが、代打大道を直球で冷静に二ゴロに打ち取った。「(記録は)意識はしていた。ほっとしています。最低50試合、30セーブは目標にしていたから。ケガなくやれているのは頑張っているかなと思います」。ヤクルト時代の高津(現韓国ヒーロー)、ロッテ時代の小林雅(現インディアンス)の3年連続を抜いて史上初の4年連続30セーブ。今季3度目の4連勝を締めたのはやはり守護神だった。

 8月の北京五輪から帰国後、五輪の映像はまったく見ていないという。「過去のことを引きずっても仕方ない」という岩瀬ならではの切り替えが、結果として表れている。どんなに悔しくても引きずらない。その積み重ねが4年連続30セーブという偉業なのだろう。

 残り23試合。先には10年連続50試合登板、4年連続40セーブという前人未到の記録が待っている。「疲れはだれしもある。まだ踏ん張らないといけないと思っている」。これでクライマックスシリーズ出場権を争う広島、ヤクルトに3ゲーム差。オレ竜のプレーオフ進出は守護神の大記録とともにある。【鈴木忠平】