7連勝中の巨人が、総力戦で逆転優勝を目指す。19日からの阪神3連戦(東京ドーム)に向けて、尾花高夫投手総合コーチ(51)が、投手陣の総動員を示唆した。3ゲーム差で迎えた直接対決。「前日に先発した投手のブルペン待機もあり得る」と、必勝の構えだ。

 ついにこの時が来た。ゲーム差3での阪神3連戦。3つ勝てば首位に並ぶ。残り16試合となって、ようやく頂点を競えるところまでたどりついた。この日、ジャイアンツ球場で先発投手陣の調整を見守った尾花コーチは「今までもスクランブルだったけど、明日からはさらに激しくなる。先発も翌日ブルペンというのはある。総力戦だ」と、言葉に力を込めた。

 実際、17日の横浜戦では、前日に先発した久保をブルペン待機させた。19日の阪神戦で先発が予想されるグライシンガーに、同様のことをさせるのは考えにくいが、それだけの決意でいるのは間違いない。尾花コーチは「(ブルペン待機は)投げるイニングによってはある」と万が一、早い回で降板ともなれば、翌日も準備をしてもらう考えをほのめかした。

 香田投手コーチもこの3連戦の重要さを口にした。「この3つは正念場。痛いのかゆいの疲れたのって言ってられない。天王山だよ。最低でも勝ち越さないと後がない。投げられる投手はみんないくつもりでいてもらいたい」と投手陣総動員で戦う構えだ。直接対決の分、自分たちが勝てば確実に差が縮まる。「手っ取り早い。勝てば縮まるわけだから」と、一気にゲーム差をつめるつもりだ。

 7連勝中の勢いに乗って、同一カード3連勝を狙う。そのためにも初戦が大事だ。先発を任されるグライシンガーも、その重要性を認識してマウンドへ立つ。「大切なのは明日(19日)。そこが終わったら次だ。一戦必勝でいくしかない」と口元を引き締めた。優勝を争う緊迫感は、大学時代と韓国で経験している。「こういう状況で戦えるのは面白いし、やりがいがある」と頼もしい。以前には「中3日でも投げる」と豪語した。ハーラーダービー単独トップの助っ人が総力戦の先陣を切る。【竹内智信】