<巨人6-4阪神>◇19日◇東京ドーム

 「G倒」で傷を癒やすはずが、深手を負ってしまった。1点差に迫っていた7回裏2死二塁。小笠原を迎え、ウィリアムスがマウンドへ。カウント1-3からの5球目だった。外角速球をフルスイングされ、左翼席に運ばれてしまう。痛恨の一撃を食らい、敗戦。無言のまま歩を進め、バスに乗り込む直前に一言発するのが精いっぱいだった。

 「自分ではいい球を投げた…。いい打者がホームランを打った…。それだけだよ」。勝負どころでのワンポイントリリーフに失敗し、責任を一身に背負う。8月31日の対戦では4安打を浴びて4失点。2軍降格を強いられた因縁の相手だった。この日に備えて鳴尾浜で投げ込みも敢行したが、返り討ちにあった。後続を断ったが後の祭り。これで対巨人戦は4試合連続失点。防御率11・37の惨状だ。岡田監督も「今さら相性どうとか言っても仕方ない。ここまで来たら。カウントが不利になったのがあかん」と苦虫をかみつぶした。

 巨人戦は残り4試合。さらにクライマックスシリーズでも激突する可能性が高く、左の強打者が多い重量打線相手に左腕ウィリアムスの存在は欠かせない。中西投手コーチは「カウントを悪くしてしまったから。(江草を含めて左の)中継ぎの2人には頑張ってもらわなあかん」と言う。20日以降も緊迫した場面で投入する方針だ。立ち止まってなどいられない。勝負は容赦なく訪れる。深い傷を消すためにも、快投が求められる。【酒井俊作】