<中日7-0ヤクルト>◇22日◇ナゴヤドーム

 クライマックスシリーズ進出あきらめない!

 中日が先発野手全員安打、14安打の猛攻でヤクルト投手陣を粉砕し、一時は2ゲーム差に離された広島に3位タイで並んだ。4回までに6点をもぎ取り、終盤にだめを押す会心の展開。先発チェン・ウェイン投手(23)は自己最多10三振を奪い、被安打4でプロ初完投初完封をマークした。23日のヤクルト戦に勝ち、広島が引き分けるか負ければ、自力3位の可能性が復活する。

 オレ竜打線がホームの声援を受けてよみがえった。和田が6点リードの7回、花田の130キロフォークをたたく。鋭くスピンがかかった打球は左翼席に弾丸ライナーで突き刺さった。15号ソロで今季5度目の先発野手全員安打を達成。リーグ最低打率の打線がヤクルト投手陣を打ち砕いた。和田は「自分自身、ふがいないバッティングが続いていた。ずっと調子が良くなくても、落合監督は試合に使ってくれている。もう調子が悪いとかいっていられない」と話した。

 2回にデラロサの7号2ランで先制。3回に5本の長短打を集めて3点。4回には李のチーム10安打目となる適時二塁打で6点目を挙げて、ゴンザレスをマウンドから引きずりおろした。広島に連敗した20日、落合監督が「悔しくないのかね、うちの連中は」と吐き捨ててから2連勝。この日は7試合ぶりの2ケタ安打で圧勝だ。デラロサは「広島では打てなくて悔しかった。今日はチェンが頑張っていたし、オレたちもやらなきゃと思った」と話した。

 チームに緊迫感が漂っていた。この日の練習1時間前、まだ暗いナゴヤドームで中村紀が20分の早出特打を行った。中日移籍後初めてのこと。同じく早出の3年目藤井に「負けへんで」と真顔で言った。最近は腰痛による不調で先発落ちも珍しくないが、必死で打撃の修正に務めた。中村紀は「腰の状態は変わらないけど、痛み止めの注射は打った。残り試合も少ないし、クライマックス・シリーズに出るためには意地でもやる」と話していた。

 この日敗れた広島と同率3位タイで並んだ。23日も勝って、広島が引き分けか負ければ、自力3位の可能性も復活する。高代野手総合チーフコーチは「今日のように打てれば、何もいうことはない」。今季のホームゲームは38勝26敗4分けと大きく勝ち越し。28日巨人戦まで続く本拠地での4試合で一気に白星を重ねる。【益田一弘】