<CS第1ステージ:阪神0-2中日>◇18日◇第1戦◇京セラドーム大阪

 手をたたき、白い歯をみせて岡田監督は喜んだ。2点を追う8回裏。2番手浅尾に赤星、関本が連打で無死一、二塁。最高の流れだったが、3番新井は一邪飛、4番金本は中飛、5番鳥谷は投ゴロ。この試合最大のチャンスも、期待の主軸が凡退。今の虎に2点は重すぎた。

 岡田監督

 まあセカンドまでは行って、1本出ていればという、そういうケースばっかりになってしまったな。3、4番が無安打って、終わってみたらそういうことやけどな。

 走者すら進めることができなかった新井は「明日頑張ります。最後まで頑張ります。悔しい思いはある。でも可能性もあるのだから」と言い聞かせるように言った。金本は駐車場で近づく報道陣を手で制し、無言で愛車に乗り込んだ。この日の先発野手で無安打は、新井と金本の2人だけ。シーズン中は打線を勇気づけ、活気づけてきた「義兄弟コンビ」から快音が出ない限り、ホームが遠くなるのは必然だ。

 5年間の総決算だと、岡田監督は言った。ボコボコ点を奪って打ち勝つチームを作ったわけではない。少ないチャンスを確実にものにし、投手リレーで守り抜く。胃が痛くなるような試合ばかりだが、それも、多くの勝利の喜びが和らげてくれた5シーズンだった。

 今季終盤、極度の得点力不足は自慢の投手陣まで苦しめるほどだった。結果的に最大13ゲーム差のリードを守れず優勝を逃した。重い十字架が、短期決戦でものし掛かったような6安打完封負けだ。

 追い込まれた。今度こそ本当の後がないがけっぷち。また明日と問われた岡田監督は「と、いうことやな」。岡田阪神の総決算。屈辱で終わらせるわけにはいかない。【町田達彦】