中日山本昌投手(43)のポストシーズン初勝利はまたもお預けとなった。3-3の6回、先頭の李を鋭いスクリューで二ゴロに打ち取ったところで降板。5回1/3を5安打3失点。最多勝グライシンガーと投げ合い、ゲームをつくった。だが、過去の日本シリーズ5試合で0勝4敗のベテラン左腕にまたも女神はほほえまなかった。

 「リードしてマウンドを降りたかったですね。最後の1点がもったいなかった」。悔やまれるのは得点直後の失点だ。今季3勝1敗と巨人への相性を買われ重要な初戦を任されたが、2点リードの初回、先頭の鈴木尚に死球を与えたのをきっかけに1点を奪われた。2-2で迎えた5回には打線が1点を勝ち越したがその裏にまたも先頭打者の亀井にヒットを許すと木村拓の適時打で同点とされた。

 落合監督は「まあまあじゃないか。よくも悪くもない」と評したが、常に「先頭打者を出さないのが基本」と語るベテランだけに悔いが残った。勝てば50年若林(毎日)の42歳8カ月を抜いて、ポストシーズン史上最年長勝利だった。次回登板のチャンスが来ることを信じるしかない。【鈴木忠平】