ソフトバンクに独自の戦術分析システム構築プランが浮上した。25日、竹内孝規球団常務最高執行責任者(COO=48)がチームの戦略支援について「シーズン中から映像を有効に使いたいという意見があった。本体がそういう会社(IT)だし詳しいし、アイフォーンもある。ソフトの専門家もいるのでプロジェクトを立ち上げようとしている」と計画を明かした。通信大手の親会社の持ち味を生かしたデータづくりを模索することになった。

 福岡ヤフードームの一塁側ベンチ裏には資料室が設置され、現在も試合映像や相手チーム、選手の分析結果を各自が視聴できる。採用している民間会社のデータ解析システムは他球団も利用しており、今回は球団独自のものをゼロから立ち上げる構想。チームの意向に沿ったシステム確立、運用が可能となる。竹内COOは「上(1軍)と(2軍が使う)雁の巣(球場)や西戸崎(合宿所)でも情報を共有できないか」とし、2軍を含めた情報インフラ整備も検討材料とした。

 秋山監督は15日に孫オーナーと懇談した際、同オーナーからソフトバンクモバイルが国内販売する「アイフォーン」に対戦相手の画像データなどを入れて、選手たちに徹底研究する提案を受けた。秋山監督も「野球の世界でも情報は大切。移動中でも家でも見られるのがいいし、ぜひ活用したい」と乗り気だっただけに、具体的なシステム稼働に向けたプロジェクトとなる。

 最下位からのV奪回に向けて、来季は現場だけでなくサポート体制も強化することになりそうだ。【押谷謙爾】