オレ竜コミュニケーションで巻き返しだ!

 中日落合博満監督(54)が3日、ナゴヤ球場で行われた秋季練習で外野に座り込み、約30分間に渡って英智、小池両外野手と話し込んだ。グラウンド上で“座談会”を開くのは異例。監督自ら積極的にコミュニケーションを取ることで効果的な指導につなげ、3年ぶりのV奪還を目指す。

 秋風が吹き始めた夕暮れのナゴヤ球場。それまで選手たちがダッシュやランニングを繰り返していたライトの一角が突如、オレ竜座談会会場と化した。

 内野でノックを終えた監督が向かったのは、ストレッチ中だった英智、小池のもと。ボール用のかごをひっくりかえすと、その上に腰を下ろし、トレーニングコーチを交えて、4人でのトークタイムが始まった。時間にして約30分。正座して話を聞く2人の姿はまさに「オレ竜・愛の説教部屋」。だが実情は、説教ではなかった。

 小池は「野球の技術的な話ではなかったです。世間話というか、ざっくばらんにいろんな話をしました」と説明した。今年6月にトレードで横浜から移籍してきた小池にとって、監督と面と向かってじっくり話をしたのは、実はこの日が初めて。技術的なアドバイスを求めるまでには至らなかったが「また機会があれば、ぜひバッティングのことを聞きたい。1年でも長く現役でいたいですから」と、目を輝かせた。

 生え抜きの英智も「僕の話って訳じゃないけど、トレーニングの話とかね。これだけ監督と話したのは今年初めてかな」と話した。

 落合監督はコーチ陣に選手とのグラウンド外での個人的な付き合いを禁じており、自身も人前で選手と雑談する機会は少なかった。だが今オフ、高代野手総合チーフコーチが退団。来季は野手陣をまとめるヘッド格のコーチが不在となるため、指導法も変わることになる。V奪回に向け、指揮官は積極的に動く。【福岡吉央】