甲子園の太鼓係から成り上がる。日本ハムからドラフト3位指名を受けた三菱ふそう川崎・矢貫俊之投手(24=常磐大)が4日、大渕スカウトらから指名あいさつを受けた。即戦力の期待がかかる190センチの長身右腕は「信頼される投手になりたい」と意欲的に話した。

 仙台育英高時代は1度もベンチ入りできず、公式戦登板はなし。当時からプロを夢見ていたが、01年センバツ甲子園準優勝時はアルプス応援席で大太鼓をたたく担当だった。リーグ戦10勝を挙げた常磐大で徐々に才能が開花。社会人3年目の今年、都市対抗出場に初めて貢献した。

 大渕スカウトは「縦のカーブ、フォークがいい」と、最速148キロの遅咲き右腕に期待を寄せた。所属先は今季限りで休部という試練もあった。「最後まであきらめずにやることが大事。補欠選手に勇気?

 そう思ってほしいなと思う。でも、まだ終わりではないんで」。春季キャンプは1軍に帯同予定。サクセスストーリーの完結はまだ先だ。