WBC日本代表の1次候補48人に、阪神からは4選手が選ばれていることが13日、分かった。今季10勝の岩田稔投手(25)が、北京五輪代表の矢野、新井、藤川とともに抜てき。世界を経験するチャンスをつかむべく、岩田は投球スタイルを参考にするソフトバンク杉内俊哉投手(28)と、年明けに鹿児島・薩摩川内市で自主トレを共にすることも明らかになった。

 岩田は少し戸惑いながら喜びを口にした。「正式に聞いていないので分からないですが…。光栄?

 そうですね」。第1回WBCは、ファンとして日本代表を応援した。「結構テレビで見ました。プロやメジャーで活躍している選手ばかり。別世界だった」。王ジャパンの世界制覇に感激したが、自身がそこに立つ姿は想像できなかった。それを現実にするチャンス。「(代表のユニホームは)やっぱり着てみたい。そうチャンスは多くないんで」と目を輝かせた。

 ただ、実績的に最終メンバー選考の当落線上にいることも事実だ。さらなるレベルアップが必要。岩田は今オフ、新たなチャレンジを試みる。年明けに、球界屈指の左腕であるソフトバンク杉内と自主トレを行うことが決まった。ここ2年間は現在ヤンキース3A所属の井川らと自主トレ。昨オフはツーシームを伝授され、今季のブレークを導いてもらった。だが「いろんな経験をしてみたい。若い時しかできないことなので」ときっぱり。今キャンプで「まね」に取り組む杉内に“弟子入り”を志願。杉内の誕生日・10月30日に連絡を取り「僕で良かったら」と快諾してもらった。

 計20日間前後の予定。「なぜ小柄なのに完投できるのか」「なぜ140キロ前後の直球で詰まらせ、空振りを取れるのか」。疑問をぶつけ、答えを出す。岩田が05年沢村賞投手のすべてを吸収し「サムライ」にふさわしい実力を身につける。