日本ハムが禁断の一手を打つ。梨田昌孝監督(55)が来季2年目を迎えるジェイソン・ボッツ内野手(28)に、来春から外野守備の練習、実戦テストを実施する方針を掲げた。今季、一塁起用はあるが外野はゼロ。決して卓越した守備力を見込んでいるわけではないが、1人2ポジション制は巨漢助っ人も例外ではない。

 梨田監督はボッツの左翼起用に「練習とかオープン戦で使ってみて考えたい。DHは有効に使わないといけないから」と見通しを話した。稲葉やスレッジが今季、下半身の故障で離脱した時期があり、来季も負担を軽くするDH起用増加が視野に入る。そのため、ボッツ先発起用を考えると守備の必要性が出てくる。

 ボッツは、途中加入した今季36試合の先発出場は、指名打者35試合、一塁1試合で外野はなかった。通常の捕球練習も一塁が多く、外野守備は未知数。日ごろの動き、スローイングから「ずっと目をつぶっていなきゃいけないかな」と梨田監督が冗談交じりに話すように、ギャンブル要素を含んでいる。

 レンジャーズ所属のメジャー時代は外野手で通算40試合に出場し、一塁の8試合より多い。計267イニングで外野に就いている。来日時は「言われたところでやるだけ」と話し、2軍戦に左翼で出場も守備機会はゼロだった。「打撃は何かを見つけてくれた気がする」と梨田監督も期待の2年目。起用バリエーションの増加に198センチ、113キロの外野手抜てきも構想に入っている。【村上秀明】