今季限りで現役を引退した清原和博氏(41)がオリックス中村勝広球団本部長(59)から来年2月の宮古島キャンプでの“臨時打撃コーチ”を要請されたことが26日、分かった。古巣への恩返しを誓う清原氏も受諾する意向で、マリナーズ・イチロー外野手(35)を同キャンプに誘うプランを披露。同キャンプには秋季キャンプで臨時コーチを務めた元メジャーリーガー野茂英雄氏(40)も招聘(しょうへい)予定。清原、イチロー、野茂の3大スターが、南の島でそろい踏みする可能性が出てきた。

 清原、イチロー、野茂の3大スターが南の島に勢ぞろいするかもしれない。夢プランの発端は前日25日夜、清原氏が特別参加した大阪市内でのオリックス球団納会の席だった。

 清原氏は同じテーブルだった中村球団本部長から「ぜひ宮古島に来てほしい。これだけの実績、理論をぜひ後輩に注入して欲しい」と、「臨時打撃コーチ」を要請された。突然のラブコールに頭をかきながら、古巣への恩返しになるのならと前向きに返答。そこで浮かんだのがイチローも呼ぶビックプランだった。

 清原氏

 あくまでスケジュール次第だけど、イチローと連絡を取って誘ってみようかなと思ってる。WBCの準備もあるだろうしね。

 日本代表は2月15日からの宮崎キャンプで集合する。だがイチローは、その時まで調整の難しい単独練習を強いられる。そこで打撃、守備ともより実戦に近い形で練習できる宮古島キャンプに招き、3月5日開幕の1次ラウンド(東京)にベストの体調を整えてもらえればとの思いがあった。WBCはヤンキース松井、阪神新井ら4番候補が続々辞退。連続世界一には、肉体的にも精神的にもイチローにかかる負担は大きくなるとの心遣いもあった。

 06年の第1回大会直前も、オリックスに移籍したばかりの清原氏が宮古島にイチローを誘い合同練習。世界一に輝いたイチローから「いい練習ができたおかげ」と感謝された。また当時、清原氏ですら「影響を受けた」という高度な打撃技術を見て学ぶことは、オリックスナインにも財産になる。

 清原氏

 僕自身がコーチをすることはないでしょう。行くならチームへの陣中見舞いも兼ねたムードメーカーやね(笑い)。

 清原氏は冗談めかすが、夢プランには続きがある。球団は秋季高知キャンプに続き、来春の宮古島にも元メジャーリーガー野茂英雄氏を臨時投手コーチとして招へい予定。大石監督も「来てくれると思う」と話すなど野茂氏も前向きの様子だ。タイミングが合えば清原、イチロー、野茂と、日本が誇るビッグネーム3人が、南の島で合体。サトウキビ畑が一面に広がる人口5万5000人の島は大フィーバーとなりそうだ。

 清原氏

 イチローのカバン持ちもするし、イチローと野茂の広報担当も買って出るよ(笑い)。キャンプも盛り上がるでしょ。

 くしくも3人は故仰木監督とは師弟関係。これも天国からの仰木マジックか。野手陣は清原氏やイチローから、投手陣は野茂氏から、他球団もうらやむ超一流の極意を学び、日本一へ。そしてイチローは世界一連覇へ。清原氏はその“ホスト役”として、宮古島を盛り上げる意気込みだ。【松井清員】